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 監査小説、女子大生会計士の事件簿を読みました。普段の生活で触れることの少ない会計士、監査人の世界を非常に軽いタッチの読み物で教えてくれる異色の本です。現役女子大生でありながら公認会計士として企業監査の仕事をこなす萌さんと29歳でようやく会計士補になったカッキーこと柿本くんのラブコメたっちの物語。これを物語だと思って読むとなんともいえない気分になりますが、ビジネス書だと思って読めばすごく気楽に読める出色の出来だと思います。
 そこが受けたのだと思いますが、シリーズは4冊目まででていて、文庫化されたりマンガ化されたりしています。シリーズ第1作の本書では先輩会計士の萌ちゃんがカッキーを諭す形で会計士の役割を語るところが印象的です。「会計士は経済の世界に1つしかない鏡」だと指摘し、「企業の良い所も悪い所もそのまま映し出す」存在で、「鏡は決してしゃべらないし動かないでも絶対嘘はつかないことで社会の信頼を確保している」と補足しています。

 監査法人はクライアント企業からお金を貰い監査をおこなう。企業は監査人からのお墨付きをもらった上で決算を発表する。投資家は決算の情報をもとに投資判断をくだす。会計士がお金をもらっている企業におもねって粉飾決算に加担すれば、企業だけでなく監査法人も市場から退場させられる。エンロンやワールドコムにおけるアーサー・アンダーセンのように。
 それだけに会計士は経済・市場メカニズムの維持に対して働かなければいけない。監査法人のイメージが傷ついている最近の状況に対する著者の憤然たる思いが根底にあるように感じます。

 物語を通じて特定目的会社(SPC)を使った粉飾決算の手口や、コーポレートガバナンスというか商法の規定で重要な意思決定は取締役会の決議が必要なこと、重要な意思決定に基づく契約においては取引相手も取締役会の議事録の写しを要求するなどでして正しいプロセスが踏まれているか確認しないと過失を問われ契約が無効になる可能性があること、簿記の基礎として資産が現金化されても利益にはならないことなどがわかりやすく紹介されています。

 少しの時間で簡単に読める、お気軽経済入門書。

こんなかたに

  • 監査人ってなにしてるの?
  • 会社のお金の動きに興味あり

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女子大生会計士の事件簿
山田 真哉
出版社: 英治出版
ISBN: 4901234250
2002/12/7

【文庫版】
女子大生会計士の事件簿〈DX.1〉ベンチャーの王子様
女子大生会計士の事件簿 (DX.2)

【新書版】
女子大生会計士の事件簿2
女子大生会計士の事件簿3
女子大生会計士の事件簿4

【コミック版】
女子大生会計士の事件簿 公認会計士萌ちゃん (1)
女子大生会計士の事件簿 公認会計士萌ちゃん (2)
女子大生会計士の事件簿 公認会計士萌ちゃん (3)

投稿者 yhiroaki (2005年02月26日 12:46) | コメントする (1)
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マインドマップ読書術

 読んでいる時はすごくためになる本だ!と思っているのに読んでしばらくすると、あの本どんなことが書いてあったっけ?と思うことは多いですよね。エビングハウスという研究者が提唱した忘却曲線によると、人は無作為な情報を記憶しても時間単位で急激に忘れていって1週間も経てば7割以上忘れてしまう、それ以降は忘れる度合いが緩やかになるというのです。著者も本の中で書いていますが、この感覚、実感として納得感があると思うのです。この本はそんな人達に役立つある仮説を提示してくれます。

 その仮説は読みっぱなしにするのではなく本の要旨や自分が読んでどう感じたのかを他の人にアウトプットすれば忘れる度合いが緩やかになる、というもの。要旨をまとめることによって本の内容を体系的に理解できるし、アウトプットするという目的をもって読むを漫然と読むのに対し読み方の質が変わるし、アウトプットすることで交流が生まれる、それが面白くなるというものです。

 そして、アウトプットする時にはマインドマップという表記法を使うことを勧めています。マインドマップは紙の中心に大きく主題、この場合であれば本のタイトルを書き、そこから思いつくままに360度項目を追加していくというものです。この時グルーピングをしながら追加していく、ただし厳密なMECEなロジックツリーを作ろうとはせずに、出来上がったときに構造化がなんとなくできてるくらいの気楽な気持ちで作るのがいいみたいです。僕が生まれて初めて書いたマインドマップが上図になります。マインドマップは本当にこの本だけ読んで書いたので上手く書けてはいないと思いますが、書いてみると面白いのです。マインドマップ。

 次は誰にどうやってみてもらうか。僕はHiLOGという別のブログで育児日記を書いていて、その中でも読んだ本の紹介も書いていました。育児日記サイトでビジネス書の紹介するのもいまいちだなと以前から思っていたので、これをきっかけに読んだ本のマインドマップを公開する書籍紹介ブログを立ち上げてみることにしました。それがこのサイト、ひろがる読書 - HiroBook -です。軽い気持ちで立ち上げたのでさくっと更新停止に陥るかもしれないですが、まあそれはそれ。しばらく続くようであれば、この本の著者松山さんにあなたの本のおかげでこんなサイトが生まれましたとメールを書いてみようと思います。

 松山さんは読書とマインドマップという、わりとかけ離れた、でも本人にとっては両方得意なものを掛け合わせて本を出版することができたわけです。なにか異質な2つをうまく掛け合わせたら僕でも他の誰かでも本が出せるかもしれないですね。正直この本もマインドマップを書くことによってどれだけ記憶に残るのかはほとんど語っていません。人はどんどん忘れていく。アウトプットすれば忘れないかも。アウトプットするならマインドマップ、いいよ。どう、やってみない?こんな感じの本でした。でも、この本をきっかけに僕はこのサイトを立ち上げてみようと思いました。松山さんの本には人を行動にうつさせる何かがあるのかもしれないです。

こんなかた向け

  • あの本どんな内容だったっけ?
  • マインドマップ面白そう!

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マインドマップ読書術―自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ
松山 真之助
出版社: ダイヤモンド社
ISBN: 4478733007
2005/01

投稿者 yhiroaki (2005年02月22日 00:09) | コメントする (7)
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